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Sep. 29, 2015 | Posted in Reports, Restoration of Paintings | Tags: ,
Staff Blog≫ Painting Restoration 5-Internship Course 2015

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キャンバスの作品では、裏に回り込む部分が木枠に沿って切り取られていることがよくありますが、作品を解体し再度木枠に張り込む必要がある場合、布を継ぎ足して張りしろを補うストリップライニングとう技術を施します。写真はその応用編で、祭壇画の半円の部分を処置する場合、小さな布を並べてカーブに合わせていきます。花弁が開く様子に似ていることから、通称「マルゲリータ(フランスギク)」とよばれるそうです。使用する麻布は織目に沿ってまっすぐに切る必要があるため、布の糸を一本引き抜き、その線にハサミを入れていきます。

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17世紀の祭壇画の部分写真です。欠損にグアッシュでベースカラーを施し、ニスがけ後補彩に入ります。手の部分では指を補完しなければなりませんでした。人差し指の置き方から他の指がどのような形で沿えば最も自然かを考え、残された色の断片も観察しながら形を決めていきます。欠損は近付いた時にオリジナルの部分と識別できるよう、複数の色を用いたハッチングで埋めていきます。その他絵の具が欠けている部分にも補彩を施していくと、形がはっきりと見えてきます。

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歴史地区の南側、特にピッティ宮殿を護るために1590~95年にかけて建設されたベルヴェデーレ要塞です。長い間閉鎖されていたようですが、近年では春~秋にかけて行われる展覧会期間限定で一般公開されています。要塞を支える10メートル近い壁は圧巻で、ミケランジェロ広場よりも高い位置にあるこの場所からは、ボボリ庭園、さらに南の丘一帯を見渡すことができます。

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